はじめに
会社売却(M&A)を考えている経営者の中には、
「会社を売ったら、翌日から辞めてもいいの?」
「買い手から数年間会社に残ってほしいと言われることはある?」
「完全に引退したいけれど、それでも会社を売却できる?」
と疑問を持つ方もいるでしょう。
会社売却後に旧経営者がどの程度会社へ関わるのかは、M&Aによって異なります。
売却と同時に退任するケースもあれば、一定期間会社に残って買い手への引継ぎを行うケースもあります。
今回は、会社売却後の社長の引継ぎ期間や働き方についてわかりやすく解説します。
会社を売却したら社長はすぐ辞められる?
結論からいうと、
会社を売却したからといって、必ず一定期間社長を続けなければならないわけではありません。
売却と同時に代表取締役を退任するケースもあります。
一方で、
M&Aの条件として、売却後も一定期間会社に残ることを買い手から求められる場合があります。
どの程度残る必要があるのかは、
会社の状況や買い手との交渉、最終契約などによって異なります。
なぜ買い手は旧社長に残ってほしいの?
買い手が旧経営者に一定期間残ってほしいと考える大きな理由は、
事業をスムーズに引き継ぐためです。
例えば、
- 主要取引先との関係
- 従業員との関係
- 仕入先との交渉
- 営業ノウハウ
- 技術や業界知識
- 日常的な経営判断
などが旧社長に依存している場合があります。
会社の株式を取得しただけでは、
こうした目に見えない情報まですぐに引き継げるわけではありません。
そのため、一定の引継ぎ期間を設けることがあります。
引継ぎ期間はどのくらい?
会社売却後の引継ぎ期間に、
すべてのM&Aに共通する決まりはありません。
数週間程度で引継ぎが完了する会社もあれば、
数か月から1年以上にわたって旧経営者が関与するケースもあります。
例えば、
管理職が育っていて社長が日常業務にほとんど関与していない会社であれば、
比較的短期間で引き継げる可能性があります。
一方、
社長自身が営業や顧客対応の中心になっている会社では、
引継ぎに時間がかかることがあります。
売却後も「社長」として残るとは限らない
旧経営者が会社に残る場合でも、
必ず代表取締役を続けるとは限りません。
M&Aの条件によっては、
代表取締役を退任したうえで、
- 取締役
- 顧問
- アドバイザー
などとして一定期間会社に関わることも考えられます。
重要なのは肩書きではなく、
「どのような役割を、いつまで担当するのか」
を明確にしておくことです。
引継ぎ期間中は何をする?
旧経営者の重要な役割の一つが、
会社が持っている「関係」と「ノウハウ」を買い手へ引き継ぐことです。
例えば、
主要取引先へ新しい経営体制を説明したり、
重要な仕入先を紹介したり、
従業員と新しい経営陣との関係づくりをサポートしたりします。
また、
社長しか把握していない業務上の判断基準や業界特有の慣習などを伝えることもあります。
買い手が安心して経営できる状態をつくることが、
引継ぎ期間の大きな目的です。
完全に引退したい場合は早めに伝える
会社売却の目的が、
「経営から完全に引退すること」
という方もいるでしょう。
その場合は、
M&Aの初期段階から希望を伝えておくことが重要です。
例えば、
「クロージング後3か月までは引継ぎに協力できる」
「半年後には完全に会社から離れたい」
など、
具体的な希望を伝えておけば、買い手もその条件を踏まえてM&Aを検討できます。
最終段階になって初めて、
「売却したらすぐに辞めたい」
と伝えると、条件交渉に影響する可能性があります。
売却後の報酬についても確認しよう
会社売却後も一定期間働く場合には、
その期間の報酬についても確認が必要です。
株式の売却代金と、
売却後に働くことに対する報酬は別のものとして整理される場合があります。
例えば、
顧問として残る場合であれば、
顧問報酬などについて別途取り決めるケースがあります。
どのような立場で、
どの程度の業務を担当し、
どのような報酬を受け取るのか、
契約段階で明確にしておくことが重要です。
「残ってほしい」と言われたら条件を確認する
買い手から、
「売却後も2年間会社に残ってほしい」
と言われることも考えられます。
その場合、
期間だけで判断するのではなく、
- 役職
- 業務内容
- 勤務日数
- 報酬
- 意思決定権
- 退任できる条件
などについて確認しましょう。
会社を売却した後は、
それまで自分が経営していた会社であっても、
経営権は買い手側へ移ります。
売却前とまったく同じ感覚で経営できるとは限らないため、
自分がどのような立場になるのかを理解しておくことが大切です。
社長依存を減らすと引継ぎもしやすくなる
将来的に会社売却を考えているのであれば、
売却前から社長への依存度を下げておくことも重要です。
例えば、
- 主要顧客を社員と一緒に担当する
- 管理職へ権限を移す
- 営業方法をマニュアル化する
- 重要な取引情報を社内で共有する
- 業務フローを整理する
などです。
社長がいなくても会社が回る状態をつくることで、
買い手も事業を引き継ぎやすくなります。
結果として、
旧経営者が長期間会社へ残らなくてもよい条件を交渉しやすくなる可能性があります。
売却価格だけでなく「売却後の生活」も考えよう
会社売却では、
「いくらで売れるのか」
だけに注目してしまいがちです。
しかし、
オーナー経営者にとっては、
売却後の働き方も非常に重要です。
完全に引退するのか、
一定期間だけ引継ぎをするのか、
経営には関与せず顧問として残るのか。
M&Aを考える際には、
会社の売却条件だけでなく、
「売却した後、自分はどうしたいのか」
についても整理しておきましょう。
まとめ
会社売却後に、
旧社長がいつまで会社に残るのかについて一律の決まりはありません。
売却と同時に退任するケースもあれば、
事業の引継ぎのために一定期間会社へ残るケースもあります。
特に社長自身が顧客関係や営業、技術などを担っている会社では、
買い手から引継ぎ期間を求められる可能性があります。
会社売却を検討するときは、
「いくらで売るのか」だけでなく、
「いつ会社を離れたいのか」
「売却後はどの程度働けるのか」
という希望も早い段階から整理しておくことが大切です。
会社売却は、
会社の未来だけでなく、経営者自身の次の人生を考える機会でもあります。
会社売却を検討している方へ
「今、自社を売却するとしたらいくらくらいになる?」
会社売却を考え始めたら、まずは現在の企業価値を把握することが重要です。
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